KIDS CLASS BLOG ニュース 2021.09.26

無拳流空手道「KATANA TOURNAMENT 選考大会 “DAY1″」後記

今回10月のKATANA TOURNAMENTのカテゴリ(出場枠)選考会と位置付けられた大会。
9/25(土)と9/26(日)の両日に亘り、約70名がこの会にエントリーしました。

そのうちのDAY1、初日が幕を閉じました。
先ずは参加者の勇気に心から称賛を送りたいと思います。

空手の大会は、自分の身を相手の身の貸し借りをして
突きや蹴りを応酬します。

そこに自尊心を賭けるのです。

チャレンジをせず
高みから何かを言うだけの人には
絶対に及ばない
崇高な精神があります。

本当に素晴らしいです。

そして
そうしたお子様を温かく見守って
応援してくださる御父兄にも感謝です。

我が子だけではなく
相手の子も、その他の子にも
惜しみないエールを送ってくださる。

「勝って奢らず 負けて腐らず」
「自他共栄」

こうした潔い精神性を
御父兄の皆様にも共有していただいていることは
とても大きな励みとなります。

この場を借りて
改めてお礼申し上げます。

さて、それでは以下に
ざっと各部門のハイライトと所感を記したいと思います。


【KIDS X】
小学4年生を中心とした軽量級カテゴリです。
他のカテゴリもそうでしたが、このカテゴリも全試合接戦でした。

勝敗よりも印象的なのは
子供たちのチャレンジ精神です。

第一試合の颯士くんと慈佳ちゃんの戦い。

このメンバー中の中で
一番遅く空手をスタートした颯士くんが
どうしても勝ちたい想いをその手数に表します。
練習では何度も何度も失敗を繰り返しては
チャレンジをやめないのが颯士くんです。

しかしどうしても勝ちをもぎとりたい慈佳ちゃんも
一撃にかけます。
やはり何度もつまづいては
再起してきた子です。

お互いの想いが熱く交錯していました。

叶翔くんと毅くんの戦いは
共に普段大人しい気質のお子さん同士が
精一杯殻を破ろうと
お互いの身体を借りて
必死に技を交換していました。

共に抜群にセンスは高く
乗った時のパフォーマンスは非常に高い二人です。

競い合いということ以上に
“自分との戦い”を互いに交換しているように見えました。

一人3年生として4年カテゴリーに臨んだ覚守慧くんも
決勝の二度に亘る延長時には
なかなか「技有」に持っていけず
体力も消耗し、心折がれかけたそうです。

彼は124㎝23キロ代です。
30キロ付近の相手との組手は
見た目以上に体力がキツかったようですが
再延長時には全てを振り絞ったそうです。

勝利という栄誉以上に
“自分との戦い”に賭けていた全員の様子が
よく滲み出ていたカテゴリでした。

勝敗を超えた
各選手の”思い入れ”に心から拍手です。

【KIDS XI】
ここの枠も感動がやみませんでした。
普段大人しく、スランプ、伸び悩み、様々な苦境をなめてきた子たちです。
一言で言うと不器用な子たちが集まったカテゴリです。
そして優しすぎる子たちが多い、そんなところです。

しかし試合で進化した修平くんと今までとは違うスピード領域を発揮する大輔くんの試合、
斉藤優真くんとウィリアムくんの、今まで見たことのない闘志。

そして予選を涙ぐみながら戦っていた林由真くんが
落ち着きを取り戻しながら勝ち上がって行った姿。
これも勝敗を超えた
戦いの素晴らしさを感じました。

結果にだけ、達成や成長があるわけではありません。

この試合後に
僕はウィリアムくんのシッターさんのジョシーさんに声をかけていただいて
一緒に写真を撮りました。彼女がすごく感動していました。

足掛け7年ほどです。
最初はお兄ちゃんと共に入会したウィリアムくんはなかなか「頑張る空手」には目覚めませんでした。
今年からなのです。「やっぱり強くなりたい」とようやく言い出したのが。6年経って。

その様子を道場で見守ってきてくだったのがジョシーさんです。
ジョシーさんの感動の様子に、自分も感極まってしまいました。
お母さんも泣いておられましたね。胸が熱くなりました。

勝利にはつながらなくても
大きな価値がある。

とても大切なことです。


【KIDS XII】
女子のトーナメントも素晴らしかったです。

正直みんな「戦うのどちらかというと苦手」な子たちだと思います。
でも空手が大好きな子たちです。年齢重ねて行ってどんどん好きになってくれている子たちです。

そんな彼女たちゆえ
無拳流の空手の理念をすごく分かってもらえる。

そういうところが確実にあると思います。

欲がなく控えめな性格だからこそ
高学年になるうちに

「気分」だけの空手を抜けて
「心」の空手に目覚めていくことができる

そういう空手への取り組みへと
メタモルフォーゼしていきます。

気持ちは個々それぞれ
その日その時々で変わっていきますが

心は普遍的なものです。

彼女たちの戦いのテクニカルな部分で
素晴らしいところはもちろんあるのですが

戦いにおける所作
相手への敬意

試合を外れた後の
試合運営への貢献姿勢

すぐにヘルメットを消毒する係に向かったり

そういった姿勢にすごく心打たれました。

理紗子ちゃんと暖ちゃんの黒帯対決。
まさかあんなに技の応酬があるとは予想できませんでしたが
黒帯としての心構えで戦っていることがよく伝わりました。

佳都ちゃんと真悦ちゃんも
互いにリスペクトある中でのフェアな戦いに尽くしていました。

品格のある空手。
それを見せてもらえたカテゴリでした。


【KIDS XIII】
全試合、拮抗感のある試合でした。

テクニカルな見地で言うと
先手必勝型の凱斗くん、諒くん
カウンター型の瑛仁くんと弘喜くん

それぞれ試合と、そこを勝ち上がってきた子たちの試合は、とても見応えがありました。

ここの子たちは「黒帯」を視野に入れています。

自分の納得のいく黒帯になるために
試験を見送ることも度々重なっています。

“自分のスタイル”

これを心技体、全てにおいて見つめ直している子たちです。

同じ速攻型同士の戦い、同じカウンター型同士の戦い
そして速攻型とカウンター型同士の戦い

個々のドラマもありますが
個々の「スタイルへの信念」もまた
強く滲み出た

そんな”こだわり”のある戦いだったことが
とても印象的で高度でした。

全員の”こだわり”に拍手です。


【KIDS XIV】
ここも黒帯をかけた二人の戦いでした。

本来もう1名の出場があったのですが
体調不良で欠場

そのためワンマッチとなりました。

甲乙付け難い、技の応酬がとても素晴らしい試合でした。

惇くんは蔵前からの参加。
道場に対戦相手として適う子がみつからなかったため
青山に招待しました。

いろいろな障壁があって
思うように空手ができない日々が続いていた昨今だったそうです。

対する憲人くんは
木曜のクラスでいつもよく年下の子の面倒を見てくれている子です。
一番年上ゆえに
思い切り技を試すことのできない練習環境でも
彼はひたすら真面目に稽古を重ねてきました。

そうした二人が今回精一杯
技を試しあえたことは

黒帯の挑戦に向けて
大きな価値があるのではないかと強く感じました

試合という出会いが
将来の大きな励みになってくれたらと思う試合でした。


【KIDS XV】
このカテゴリの試合は
当初試合前から激アツでした。

きっかけは
「僕、辰太郎くんとやりたいです」

颯介くんの言葉がきっかけでした。

「えっ?本当??」

思わず聞き返したものです。

「はい、強い子にチャレンジしたいんです」

颯介くんのその言葉に
当初グッと来たものです。

(そうか、1年前も年上の橋本耐雅くんに挑んで大善戦したんだっけ・・・)

挑戦する男。

そして後日カリンちゃんも表明しました。

「顔面寸止め形式でやりたいです」

「え??本当に???」

僕が聞くとカリンちゃんは
はにかんだ笑顔を、肩の中にうずめるようにしてうなずきました。

(そうか、、いつも辰太郎とは激戦を繰り広げてるんだっけ・・・)

闘う女。

そういえば辰太郎くんは
前回の龍覇王杯では、優勝候補筆頭でありながら
怪我のために不戦敗。
それでも謹んで笑顔で銅メダルを首にかけてくれた。

「やっぱり負けられないですね。でもみんな強くなっているので、一緒に戦えるのが楽しみです」

爽やかな男。

こんな3人の総当たりでしたが、

やはりそれぞれの個性が
非常に明確に打ち出された試合となりました。

ファイティングスピリットで立ち向かう颯介くん。
虎視淡々と青い情熱で、ポイントを狙うカリンちゃん。
そして仕掛けつつ「調和」を求める辰太郎くん。

5:5の勝負論が好きなのが颯介くん。
4:6で4割の勝率の中でいつも運を引き寄せるカリンちゃん。
みため7:3でありながら、実は2:8で攻撃型のカウンターを狙う辰太郎くん。

非常に高度で面白い試合でした。

一度辰太郎くんの突きがヘルメットにぶつかってしまいましたが
反則とせず有効としたのは
お互いに激しく間合いを取り合っている中での、
飛び込んでの空中での突きだったためです。

カリンちゃんがあの間を外して狙い通りカウンターできれば、ポイントとなりましたが
辰太郎くんが飛び込む「間」を奪取したことが全てでした。
技術論です。

それにしても凄いな。。
高学年の子たちの友情にも惜しみない称賛を。
素晴らしかったです。


【KIDS XVI】
最終のカテゴリです。
ユースクラスのメンバーが増えている昨今です。

今後どんどん試合でも盛り上がってほしいなと思っています。

平たい言い方になってしまいますが
みんな大健闘でした。

進化著しい新久郎くん
日に日にバージョンアップしている耐雅くん
そして外部有名大会で日本一の実績ある辰壱くん。

勝敗こそ別れましたが
非常にそつのない戦い方を全員がしていました。
上手でした。

1分では物足りない。
そう感じるくらい、ゲームが安定的でした。

それ故に
運営側としては
もう少しルールに”遊び”をつけてもいいんじゃないかという気になりました。

みんないろいろなテクニックを持っているのですが
試合になるとそれを大胆には出せなくなります。

そこを技によって配点を変えることで
大技でハイスコアを狙うようなゲーム性を高めてはどうかと。

高学年・中学生の試合をもっともっと面白く高めてあげたいと思いました。

その上で
また辰壱くん、耐雅くん、新九郎くん、
その他のメンバーの子たちの技術が見たいと思いました。


【感謝】
大会運運営にあたってはいつも佐藤翔太くん、林辰壱・辰太郎兄弟が準備から審判、後片付けまで手伝ってくれています。
心より感謝です。

そして最近では他のお子さんが「小さい子の大会を手伝いたい」と申し出てくれることが多くなりました。

明日は香林ちゃん、理紗子ちゃん、覚守慧くん、大志くんが手伝ってくれることになっています。

試合中でも、どんどん子供たちがサポートに回る姿が見られるようになりました。

大会で人が育まれるのは、試合の中だけではありません。

こういう自発的に他者貢献できる子たちが育っていることが、指導者としてとても大きな誇りです。

自分たちで場を作る。心でつながる。

これがこの道場の良さです。

大切にしていきたいものです。

日曜の大会も
心温まる大会になることを願っています。

最後に写真の下に
今回の結果を記しておきます。

◯KIDS X
優勝 山口覚守慧
準優勝 山口毅

◯KIDS XI
優勝 林由真
準優勝 斉藤優真

◯KIDS XII
優勝 斉藤理紗子
準優勝 里見佳都

◯KIDS XIII
優勝 片山凱斗
準優勝 熊野瑛仁

◯KIDS XIV
優勝 青木惇
準優勝 上田憲人

◯KIDS XV
優勝 林辰太郎
準優勝 デファイカリン
3位 堤颯介

◯KIDS XVI
優勝 林辰壱
準優勝 鈴木耐雅

◯特別選手賞3名
田中颯士
ダニエルズ ウィリアム
堤颯介

◯特別友情賞
藤原弘喜(蔵前道場)
青木惇(蔵前道場)

◯最高試合賞
山口覚守慧 vs 山口毅
※二度の延長戦による白熱した勇姿に、賞の追加が決定しました。
後日表彰致します。

 

以上DAY1の結果報告です。
参加者には今大会の結果を踏まえてのカテゴリ分けを行い、
10月30日または31日開催予定の「KATANAトーナメント本選」への招待を致します。
※来週月曜。来週中の締切

CATEGORY

ARCHIVE

MUGEN RYU TOKYO INTERNATIONAL KARATEDO

見学・体験入門随時歓迎!

見学はもちろんのこと、入門を検討されている方であれば体験入門もお気軽に!

体験レッスンのご予約はこちら

You'll be more than welcome.

Please contact us and try free lesson.

Contact us.

page_top