◯演武会を実施した理由
2/23(水祝)青山本部道場開催、そして3/6(日)代々木MUSEホール開催。
二日をかけた演武交流会が終わり、先ずはホッとしています。
当初は組手大会を実施する予定でした。
しかしこのコロナ渦で、多数の不参加が予想される中での「対戦イベント」は運営的にも非常にリスクが高く、開催を見送らねばなりませんでした。
そして多くの子が楽しみにしていた春の合宿も、宿をキャンセルせざるをえませんでした。
それでも、子供たちの眼差しに押されました。
「先生、学校でも他の習い事でも、いろいろなイベントがダメになってるんです。。」
子供たちはあきらめることに慣れていました。
(でも空手の道場なら、何かやってくれるのではないか。。)
そんな一人二人ではない、大勢の子たちから期待を寄せられると、俄然なんとかしてあげたいなという気持ちになりました。
そこでたとえ体調不良や濃厚接触などにより不参加を余儀なくされても、”対戦相手”がいなければ迷惑がかからない演武会はどうだろうかと。
同時に道場は全額返金をすることを約束する。
その代わり、今回道場側は参加賞の用意などは一切しないことを条件に、演武会の開催に踏み切りました。
(以下、写真の下に文章続きます)
→◯とはいえ「真剣になること」が条件
◯「真剣になること」が条件
とはいえ、空手を単なる「娯楽」として提供するつもりはない。
子供たちが自ら真剣にアツくなって、夢中で取り組んでもらえるような「演武会」にしたかったのです。
コロナ以前の演武会では、イベント2ヶ月ほど前から毎週のように特練を重ねて「仕込む」ものでした。
しかしコロナ以降はこうした集まり自体が容易には開けなくなりました。
昨年の演武会では、参加者に別途練習が必要な型などを用意しましたが、不完全燃焼感が発生してしまいました。
もっともっとシンプルに。
そこで「基本の素振り」に目をつけました。
毎回の稽古でやっていること。
下級生から上級宇生までやっていること。
自宅でも練習できること。
これならば共感性が高いはず。
そして上級生たちからはある提案がありました。
「コロナ前までは、優勝者を決めるコンテストをやっていました。あれをやってください。燃えるんです」
幼児期は競争意識が強すぎて、順位がつけられる状況が把握できない。
なので発泡スチロール、板割りでどうだろうか。
やはり”経験者”である上級生たちからすれば、幼い頃にステージの上で発泡スチロールを割ったことが「とても誇らしい気持ち」になったそうです。
「やるからには真剣に。そして自らの努力で感動を手に入れる」
上級生たちの言によると、これこそが空手道場の良さだということでした。
組手でなくても、真剣になれる。
自分との戦い。
子供たちがこんなにも熱くなりたいのだと知り、感動しました。
よし、自分もやろう。
やはり上級生から、先生の武器術はかつて燃えたという体験談が寄せられたので、実力者OGの佐藤美帆ちゃんに参加を依頼した。
二つ返事で参加を快諾してくれた。
十年以上の師弟関係。
彼女となら、子供の心に響かせられる。
心を燃やしました。
(以下、写真の下に文章続きます)
→◯正しい熱は必ず伝わる
演武会開催を決定してから、幼年クラスが変わってきた。
脱走を繰り返していた子たちが
頑張れるようになった子たちが、発表会の練習に照準を合わせるようになった。
恥ずかしながら私の3歳の娘もその一人です。
親としては、普段落ち着きのない娘が、演武会参加を決めたことでこんなにも頑張るようになるとは正直驚きでした。
(やはりどんな子にも目標は必要なのだな・・)
そんなことを思っていると
次々に、子供たちが頑張り始めました。
できるけど、ムラがある子もいるのですが、ある日ふざけてしまっていた一人の子にこんなふうに語りかけました。
「今度は発泡スチロールじゃなくて板、木を割ってみようか。本当はデキるのにこんなふうにふざけてても仕方がないじゃん。君ならもっとカッコよくなれるよ」
その子の目の色が変わりました。
ふざけなくなりました。そして目一杯稽古をするようになりました。
子供に教えてもらいました。
真剣な正しさと思いやりがある、指導者の熱意は伝わる。
若い指導員たちも、より一層こどもたちに熱を伝えてくれるようになりました。
自分たち自身の演武練習も、「小さな子に夢を与えたい」そういう思いで何度も何度も頑張ってくれました。
“うまくやってやろう”という意識などは、何度も何度も練習をしているうちに消え失せます。
型そのものになる。
それは強くてカッコよくて優しさの象徴です。
簡単に手に入らない、高くて尊いものです。
ひたすら足元をみて瞬間という瞬間を過ごし、
希望を見上げて日々をめくりました。
(以下、写真の下に文章続きます)
→◯あちこちで基本に目覚める
→◯”基本”に目覚めた子たち
こうした練習を重ねているうちに
基本の素振りがより一層大好きな練習になったという子が増えました。
それだけではありません。
挨拶や整列が変わりました。
ただロボットのように挨拶したり並ぶのではありません。
他の子たちと協力しながら、美しく機能的に並ぶことをパッとするようになったり、お互いに盛り上がるような声の掛け合いが頻繁になりました。
「仲間との惜しみない協力」と「フェアな切磋琢磨」
こうした精神が行動に垣間見えるようになってきました。
年齢が上のクラスになればなるほど、この「自他共栄」の精神が行動となって現れていました。
(以下、写真の下に文章続きます)
→◯惜しみない運営と感謝
◯運営も最後まで真心で尽くしました。#感謝
結局こうした世情の中で、止むを得ない事情にキャンセルは30以上にのぼりました。
それでも当初より子供たちには参加者へのメダルを用意して、記念品も各日で出すことを決定していました。
演武会当日もキャンセルなどによる、パンフレット原稿の差し替えなどもギリギリまでやりました。
そのためデータが飛んでしまったり混乱もありましたが、「善心」に基づき、最後まで各指導者スタッフと共に演武会の運営に尽くしたという思いがあります。
もちろん前向きに、今後運営において改善しなくてはならないこと多数です。
いろいろな方に見ていただきたかった演武会でしたが、今後さらに多くの人に安心してご来場いただけるよう必ず工夫したいと思っています。
最後にいつもこうしたイベントを陰ながら、多大に支えてくれている麻以先生に、この場を借りて心からお礼伝えたいと思います。
各種グッズの用意、パンフレットの印刷と折り込み、寒い中を外で多数の受付を一人でこなしつつ、二人の子供の演武会参加をサポートして、その上多くの撮影をしてくれました。
本当に頭が下がります。
また蔵前の鈴木先生におかれましても、蔵前から遠くはなれた青山道場や代々木での開催に際して、心強く蔵前の生徒さんを励まし指導されてきたご尽力に感謝です。
佐藤美帆先生、佐藤翔太先生、林辰壱くん、辰太郎くん、香林ちゃん、理紗子ちゃん、皆様にも心よりお礼申し上げる次第です。
これからも無拳流空手道は、子供の希望となるような指導や運営に尽くして参ります。
引き続き宜しくお願いいたします。
皆様、有り難うございました。
また道場でお待ちしております。
無拳流空手道青山本部道場
代表 山口雄史
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