ADULTS CLASS BLOG ニュース 2022.07.08

MUGENを担う新世代として(会員さんインタビュー②)

先日59歳にして黒帯を取得した小林正己さんのインタビューを掲載しましたが、次は14歳にして黒帯を取得した林辰壱(はやし たついち)君のインタビューです。

若年ながら、今やK-1アマチュアリーグでも全日本2連覇を成し遂げており、無敗を続けているMUGENの看板選手の一人である。
しかしその彼の強さより、とても14歳とは思えない”できた人柄”には、多くの人望と応援が集まる。

今回の黒帯取得の背景を、彼の幼少の入門当時にまで遡って、インタビューをしてもらいました。

(インタビュアー、文章 永井仁高)

■特別インタビュー「黒帯への道」

◎林辰壱君

――MUGENへ入門した経緯を教えてください

3歳のとき、母に連れられて蔵前へ体験に行ったので12年になります。よく覚えていないですが、多分その時楽しくて入門したんだと思います。その後、週2回の稽古が楽しくてしょうがなかった記憶がありますから。道着を着ることがまず楽しい。基本やドリルがとても楽しかったです。

――試合もですか?

4歳(年長)で初めて試合に出た時は初戦敗退でした。次の試合では準優勝できましたが、ずっと勝ち負け半々くらいだったと思います。そのころには弟(辰太郎君)も入門していて、「勝ちたい」という意識も出てきて、父と家で練習したりしていました。

――その後、K1チーム発足になるわけですが、どうした経緯で?

僕が4年生くらいの時ですが、6年生の先輩たちが皆で先生の家に食事にいかせてもらったそうです。その時、今はK-1社会人リーグでチャンピオンになっている佐藤翔太君とかが、ゲームとかしてダラーっとしている。先生に何か目標はないかと聞かれても「はあ」みたいな感じで。そしたら先生が「この子達に“夢“を持たせなきゃいけない」と思っていただいて、始まったのがK1チームです。僕は夏の自然合宿の途中で、車の中で声をかけていただきました。そして4年生の夏からスタートしました。

――どんな感じだったのですか?

Kー1はキックボクシングではありますが、当時のK-1キッズ部門は顔面への突きがない防具付きのフルコン空手のルールで、MUGENの技術がいきると思いました。リングに上がるのもコワイというより楽しみでした。稽古は土曜の夜週1回、4人から始まって8~9人で始まりました。当初スタートの夏休みの特訓では2回目の稽古で筋肉痛で階段上れなかったり、拳の皮がむけたりはしましたが、目標を「全国優勝/チーム全勝」において「やるぞ」という感じでしたね。

――壁はありましたか?

5年生のときの7連敗です。これはメンタルの問題でした。「周りが勝っているのに自分は勝てない」という思いから空回りする負のスパイラルに入っていた。そこへ山口先生がボクシング三階級王者八重樫東選手をセミナーに招聘していただき言葉をもらって吹っ切れました。山口先生の常に言われていた「楽しむこと」へ戻れたのです。すると「こうすれば勝てる、できる」がすぐそこにあったことに気づけました。

――それから5年位継続しているのですね

メンバーの中には違う道を行く子もいました。でもその人その人の人生があることですから、残った僕らはその子たちを応援しています。

僕はやっぱり「楽しい」から続けられたのだと思います。「勝ちたい」はもちろんあるのですが、技の通り道が見える瞬間、身体が覚えて動きに流れができる感覚、技術を追求する楽しさが継続する力の源泉だと思います。

外部の試合で出会う同じユース選手も、勝利への貪欲さはありますが、試合の前後は笑って挨拶できる。自分がどうやっていくかのプランが見えている、先のビジョンを見ている子たちと切磋琢磨するのは、やはり楽しいです。

――そうした中での黒帯挑戦でしたが

大人の黒帯はとても長く憧れた高いイメージのものでした。でも試験はやはりコワイでなく楽しいと思って臨みました。やはり対格差もあって大変だったのですが、テイクダウンやカウンターをルールに対応してしっかりやりきるところを見せたいと思ってやりました。実際は想像の何倍も大変でした。本当に最後は食らいつくのが精いっぱい、という状態でした。でも、課題が見つかった、まだ僕には伸びしろがあるんだ、と思えました。

――補助インストラクターとしては?

土曜日クラスを担当補助していますが、まずは山口先生と翔太君の「マネ」から入って、自分の中で吸収して、自分なりのカラーを出して子供たちに伝えていきたいと思います。

技などは自分が2年生の頃より、今の子供たちのほうがうまいと思うくらいバージョンアップしている。時代や世代の色合いがあって、一人ひとりの個性も違うので、のびのび稽古してほしいと思います。

ただ、根本は山口先生のMUGENを継承したい。僕のバックボーンはあくまで「空手、武道の心」だと思っています。高校生でのプロデビューも目指していますが、心にはいつおも山口先生の「勝っておごらず負けて腐らず」でいきたい。

武道の心、自分の中で究めることを目指していきたい。

空手は楽しい、自分自身を強くしていけるものだと思います。

武道の心をもって格闘技に臨んでいきますが、いつか山口先生に「スピードスター」とか「ザ・ブレイド」みたいな「あだ名・異名」をつけてもらえたらうれしいです。

(山口代表からのメッセージが写真の下に続きます)

◎林辰壱君へ

MUGENの中で“技感度”ではNo1ではないでしょうか。「技」には身体から出るものと「心」から生まれるものがあります。練磨した「身体」から出る技も素晴らしいのですが、辰壱君は「心」のありようが良く、そこから生まれる技を持っています。

「心」から生まれる技にはおごりなく、真実があります。ボクシングをしても、キックボクシングをしても、組技の練習をしても、彼の心はMUGENの空手家なのです。そして、すでにリングでも「心術」を使うことができるまでになっています。

「淡いものは淡くていい」

絵を描くときに、「空は青」でなければ、そうあるべきと塗り込める人もいます。しかし、ただ虚心坦懐に空を見れば「色は移り替わり、色のないところ」もある。それを受けいれ、感動できる力が辰壱君にはあります。どんな試練にあっても、その事実を受けいれることができ、そこから“楽しんで”努力することができるのです。これは大人でもなかなかできることではありません。

「14歳の黒帯」に対して、早いのでは?という武道関係者の方もいるかもしれません。しかし私は逆に、MUGENの誇りだと思います。これからの時代を切り開く、「心」を備えた若い力の突破力にも大いに期待しています。

彼には14歳にして「武徳」があります。きっと将来すばらしい空手家になるでしょう。

 

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