ADULTS CLASS BLOG ニュース 2022.07.11

10年かけて黒帯チャレンジ(会員さんインタビュー③)

社会人クラス「昇段審査合格者インタビュー」の第3弾。

“黒帯への道”を語ってくれるのは、先月からインストラクターとしても道場のチカラになってくれている浜田さん。
型専門のクラス廃止後の、組手あり空手のやりなおし、そして黒帯審査への到達。
そのストーリーをインタビューしてみた。

(インタビュー・文 :永井仁高さん)

 

◎浜田麻衣子さん

――入会の動機は?

2012年に鳥取から上京、仕事にも慣れてきたころ、何か運動を始めたいと思いました。憧れがあった格闘技系がいいかなと思いキックボクシングや合気道などいろいと見ていた時に出会ったのが、MUGENの空手の形クラスでした。

空手にはコワイいメージがあったのですが、山口先生の基本の形の動きを見た時、凄い!自分もこんな風になりたい!と一気に惹き込まれてしまいました。

――キャリアは10年になりますね。

最初は「型のみ」のクラスではじめ5年位で茶帯まで進みました。そのころ、型クラスがなくなることになったのです。(*1)そこで先生から「組手のある一般クラスやってみませんか?」とお話があり、それも選択肢かな、と思いまた白帯から始めることにしました。

*1
型のみのクラスは常に需要はあった一方、”ひととおりの体験”をメインにした方が多く、長く追求して行く人が少なかったこと、そしてやはり組手をとおして型の重要性を知る方が良いという結論に、道場の運営サイドが行き着いた時期でした。(浜田さんも当時は来たり来なかったりでした)

――「型のみ」から組手を始めた時、何か変わりましたか?

審査会で組手を見ていたのですが、迫力に驚き、正直「コワイ」と思いました。昇段を目指す人はすごいなーと。

――それでも続けられたのはなぜでしょう?

道場ライフで、一番つらかったのは「教えていただいたことを吸収できない」ことでした。

通いはじめは、月に数回なんとか通うのが精一杯でした。このペースだと前回習ったことを思い出すことに必死で新しいことが全く覚えられなくて苦しかったです。それで道場から足が遠のき、たびたび”失踪”(*途中で何度か稽古に出ない期間)をしていました(笑)。

でも、仕事を変えて、道場にもっと通えるようになったことが大きかったですね。自分が成長出来ないことへの落胆が一番つらい。逆に成長を実感できると、いろいろなチャレンジが楽しくなります。形クラスでは茶帯までだったので組手に移ったら黒帯を目標にしました。

――そして今回の昇段審査につながるのですね?

白帯から再スタートして5年ほどになります。チャンスをいただいたときは、もう怖さはありませんでした。むしろ、正直なところ「お声がけ」を待っていました。「来たな!」という感じで、”そのレベル“に立てたということが本当にうれしかったです。

――でも課題も出されましたよね?

テイクダウンです。やはりあまりやってこなかった領域ではあったのですが、入門してからずっと「山口先生の動き」にあこがれていましたから、今回もとにかく先生のマネをして、先生の動きに近づけていくこと、私と先生の動きの違いを埋めていくことを心がけていこうとがんばりました。

――実際に課題をクリアして、見事合格。終わってみてどうでしたか?

山口先生、鈴木先生からは「練習をしてきたことが後半辛くなってきたときに出るものだよ」を教えていただき、とにかく練習通りを心がけました。とにかく、組手は「アタマを使う」ので大変ではありました。

――「アタマを使う」とは?

技をかけるには、それを成立させるための仕掛け、術が大切なのだな、と痛感しています。一つひとつの技の意味を考え動く。とてもアタマを使います。今、佐藤翔太君たちとの練習が楽しいのは、いろんな技、すごいキレなどを見せてくれるだけではなくて、みんなが技に課題をもって、1回1回の動きを無駄にしないで、いろんな試行錯誤や練磨を重ねていることがわかるからです。私もこれからさらに技の精度を上げていきたいと思います。

――インストラクターという立場にもなりました。

私自身、何度も“失踪”したのですが、この道場は受け入れてくれた。これが本当にうれしかったです。「空手やりたいけど、うーん」ということが、誰しもあると思いますが、それ超えさせてくれる道場だと思います。

いろんな世代の方がいらして、楽しく体を動かして、稽古に来ると会えてうれしい。そんな道場の空間づくりに貢献したい、と思っています。

(写真は指導担当する女子キック&ボクシングクラスのメンバーさんたちと)

※写真の下に山口代表からのメッセージがあります。

◎浜田麻衣子さんへ

浜田さんが度々起こす”失踪“は、理由がわからなくて困りました。笑

長く通ってくれるうちに気づいたのは、浜田さんは「感情」に落とし込むことが不得手なのだということ。

多くの人は感情に左右されますし、感情を言葉にするのが苦手、ということもよくありますが、感情自体は読めるものです。
しかし浜田さんは「知行合一(*知識と行動の一体化)」が苦手な感じであり、感情のありどころ、宿し方もまた、行動が一連につながらないように見えるのです。

週3~4回稽古に出てやる気はある。でも「先生のような技をできるように」と言いつつ、自分のイメージ、自分の頭の中にあるやり方にこもり、繰り返すことが多くて、その「枠」から脱することは困難だったようです。

でも、道場という場で、さらに人の中に入っていくことで、浜田さんは自分の感情を宿す場、仲間を得ることができて、変わったのだと思います。

武道の「動き」とは自分ひとりでは成り立ちません。常に相手と共有し、響き合う。その中で、彼女自身の色もまた生まれてきたのだと思います。
周囲の人があって、言葉が生まれ、語ることができる、仲間が増えていく。技もまた然り。

こうした道場での人間ドラマを、浜田さんはこの道場で大いに得ました。

空手をとおして変われた浜田さんだからこそ、インストラクターとして人に伝えていくことができるものがあると思います。
これからの道場人生に注目していきたいと思います。

この度はおめでとうございます。

無拳流空手道青山道場
代表 山口 雄史

 

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