ADULTS CLASS BLOG ニュース 2022.07.12

54歳のいま、チャレンジできること 〜黒帯弍段〜(会員さんインタビュー④)


6/19(日)青山本部道場で行われた「昇段審査会」で、54歳の伊藤悦男さんが見事に弐(二)段に合格されました。

蔵前道場所属の伊藤さんが歩んできた「黒帯への道」。

インタビュアーの永井仁高編集長がお話を伺ってくれました。

◎伊藤悦男さん

 

――入門のきっかけは?

最初は息子が幼年部に通っていました。送迎で少し早めに道場に行くと、一般部の大人の方が寝技の稽古をされていたのを見たんです。学生時代に柔道を学んでいたこともあって、「空手なのに寝技?」と興味がわきました。(*1)そして大会にいくと、大人部門はテイクダウンのある試合で、それが面白くてカッコよくて。子供が小学生になった頃を見計らって、妻に「手がかからなくなってきたら僕も入門していい?」と聞いてOKをもらいました。

(*1)当時山口代表が指導していたクラスで、時々、上級生を対象に寝技を体力づくりに取り入れていました。そのシーンを伊藤さんが垣間見たようです。

――柔道が活かせる、とお考えになったのですか?

いえ、それよりは、僭越ながら山口先生のお考えと申しますが、色々な技術をやる、という懐の大きさというか。道場のキャパシティみたいなところにひかれました。

最初は月4回のコース。高校、大学と柔道をしていたのですが、ケガで続かなくなりました。社会人でジムに行っても続かなかった。MUGENでは後悔したくないと思い、ゆっくり始めたのですが、同じテイクダウンでも、柔道と違った組み立てがスゴイ!と思ったり、とても面白くなって3~4か月でフル会員になりました。

――壁みたいなものをお感じになったことは?

生まれて初めてハイキックを味わうという経験もありました。ふらっときました。(ライトスパーが原則の稽古ですし)流れの中のことでアクシデント的なことだったんですが、相手の方がすごく恐縮されて謝まられて。とにかく道場の皆さんからの「気持ち」がいいのです。その時の相手の方とも、”思い出”として笑いあえるようになりましたし、稽古を通してたくさんのよい友達ができました。とにかく道場に通うのが今も楽しい。10年楽しく続けられる道場はないと思います。その根底には互いに尊重しあう道場の空気があると思います。私自身も「休まなければならないようなケガをさせたことがない、したことがない」を一番の誇りに思っています。

――ではうれしかったことは?

(前ルールで)黒帯を取って最初の大会で優勝できた時はうれしかったですね。あ、悪い思い出ではないですが心残りになったことは結構あります。ある色帯の方が、転勤で道場生活最後となった大会で、団体戦でチーム優勝できず、金メダルを持たせてあげられなかったこと。それから、茶帯の時の大会で準優勝し会場の去り際に、山口先生に「今日は悦さんが優勝するかと思ってましたよ」と声をかけられたとき。もっと何かできたんじゃないかと。今回の昇段試験でも、もっといろいろなプランがあったんです。でも思ったようにはいきませんでした。

――新ルールは難しかったですか?

(寸止め)顔面ありはとても楽しいです。もし何かの事情で道場を離れなくてはならなくなったら、ボクササイズはいいかも、と思ったことがあって。

――伊藤さんとボクササイズはイメージが合いませんが…

柔道、フルコン系空手とやってきましたから、顔面ありにも興味がいきます。とはいえ年齢も生活もあるので、脳にダメージをもらう競技はちょっと、ですし。以前から道場の仲間とも顔面ありってどうなんだろうねと話したり、探求心もありました。そうした時にこの新ルールですから、本当に渡りに船でした。MUGENの道場がやっぱり好きですし、鈴木先生から新ルールのお話をいただいたときには、これが是です!という感じで、稽古に励めました。

これも僭越とは思いますが、山口先生の世界の広がっていき方に感動します。柔術、沖縄空手、古流剣術、キックボクシング、ボクシングなど、御自身で吸収された世界を、こんな風に私たちに分けていただける道場はないと思います。

――次の目標は?

これだけの奥行きのあるMUGENという武道の中では(昇段)審査は修行の一つだと思います。これからも日々淡々と、皆さんと楽しく稽古していきたいと思っています。大会や審査会は、自分にとっては、山口先生に「日々どう稽古しているか」を見ていただく場。審査会は、皆さん緊張しますから、サバキの時などは、蔵前の方の前になるべく立つようにしたりしていますが、みんなで向上していく場でもあると思っています。絆を感じさせてくれる鈴木先生と蔵前道場の皆さん、会えば楽しくつながってくださる青山道場の皆さん、今もお会いすると背筋がピリッとする山口先生とご一緒に、これからも日々の稽古を重ねていきたいと思います。

山口代表より

◎伊藤悦男さんへ

この度はおめでとうございます。

親子空手からスタートされた空手家として、またMUGENの黒帯としての本質を体現されているのが伊藤悦男さんだと思います。

私の道場論の一つに「道場とは知らないものを発見する場である」ということがあります。

これは、単に新しい技術を教えてもらうのではなく、師匠や先輩ですら知らないことを共に追求する、ということです。

54歳にして新ルールを楽しんでチャレンジするお姿は当道場の原点だと思います。

また、武道への取り組み方もしっかりとなさっていると思います。もともとフルコンタクト空手もその創成期は「顔面あり、投げあり」で道場内で稽古し、大会などでは「行わない」ということで競技として確立したという経緯があります。武道としては「顔面あり、投げあり」を想定するのは当然であり、そのことを感じ取り、新ルールに取り組む姿勢は武道家そのものです。(とはいえ、多くの年代に取り組んでもらうため、打撃は寸止めとしていますが)

「ケガをさせない、しない」も当道場の相互尊重の気風をしっかり継いでいただいており、私自身、常に心に銘じていかねば、と思うところです。

伊藤さんにはこれからも楽しんで稽古を続けていただきたい。淡々もいいですが60歳くらいに、また素敵な”関門“を設けて、それに挑む伊藤さんを見てみたいですね。

 

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