道場内でのご父兄閲覧が不可となるほどの参加者が集まった「KATANA TOURNAMENT DAY2」小学2年生以上高学年の部。
どの部門も非常にアツいパフォーマンスが繰り広げられました。
幼年&小学1年生部門の後記で述べたのですが、もっとも大切なことは「得意であること」よりも「好きでいること」です。
抑制的に何かを強いられることより、自発的に好奇心をもって探求を深めらることです。
その前提で、一体何を前提に査定(入賞者を決定)しているか)ということを、初めに伝えておきます。
優先しているのは、姿勢の「正しさ」です。
また詳細は長くなりますが、姿勢は目にも表れます。
“目は心の窓”というように、姿勢は心となって目に表れます。
型というものは
世の中に無数にあり、流派・地域・道場・指導者によって形も変わります。
しかしながら、型の型たる所以は、力より速さよりも先ず先に「姿勢」の正しさを養成することにあります。
これを書き始めると、全100回にわたる大作となってしまいますので、ここでとりあえず先ずは区切らせてもらいます。
○過去のこと
過去に無拳流空手道の社会人の高弟の方々に、型の審査員になってもらったことがあります。
ある者は力強さを最大に評価し、またある者はスピードや切れ味を最大に評価し、またある者は「形」のみの精巧さに評価の最大の基準を置いて、価値観は分かれました。型というのは相当に奥深いものです。
昔々、江戸時代の話
とある剣術家の家に大鼠が現れ、ネズミを捕えるため、初めは自家猫を仕向けるもネズミに噛まれ、そこで近所中のネズミ捕りに実績がある猫達を集めさせるも、どれも敵わず、とうとう勝軒自身が木刀を手に振り回すも、逃げ回って逆に噛みつかれそうな勢いとなり、手に負えない。
最後に名立たるネズミ捕りの古猫を連れてこさせるが、その姿はきびきびとせず、元気がない。
ところが、いざネズミのいる家に入れさせると、ゆっくりと追い詰め、大した抵抗をされることもなく、造作もなく咥えてきた。
その夜、猫達が集い、その古猫に教えをこう。
とある一匹(若い黒猫)は、所作(速さ力づよさ)を鍛錬したことを、
またある一匹(少し年上の虎猫)は、気を修行したことを、
またある一匹(さらに年上の灰猫)は心を練ったことを語った。
しかし古猫はそれぞれ「虚」を指摘し、「実」を説いていく。
自分は何の術も用いないし、無心で自然に応じるのみと語った後、自分自身も過去に出会った猫に比べれば、まだその境地(周囲に敵が生じない)に達していないと諭す。
最後にそれらの問答を聞いていた勝軒の問いに対し、古猫は、敵とは何か、心のあり方を説き始める。
江戸時代の侍が作った、「猫の妙術」という有名な話ですが、このように武術の深奥というのは非常に深いものであり、その第一にある「型」というのは、「形」ではなく「象」へと昇華していくべきものであります。
やはり全100回が始まってしまいそうなので、ここで本当に区切らせてもらいますが、冒頭のように有段者でも視点が互いにブレてしまうことがままあります。その時には一体何を第一義にしたら良いのだろうと、一同大いに迷ってしまったという逸話がありました。
以来、代表の山口が査定は一括して行うようになりました。
さて、小難しい話が続いたため、ここまで辿り着いた読者は非常に数少ないかと思いますが、頑張って続けます。
しかしながら、やはり前コラムでも書いたとおり「うちの子が一番」ご家庭内ではそれが一番です。
是非各ご家庭においては、お子様を最大限にほめてあげていただきたいと思います。
こうしたイベントを開いたことで、たくさんの努力をみなさんがしたこと、とてもよく伝わってきました。
力強く、素早く、順番を正しく行うように、本当にみんなよく頑張っていました。
ここには、何ら他者が非難批評をするようなものはありません。
好きで頑張って、みんなで良き演武ができた。
それが一番大切なことです。
ここを最大限に強調しておきつつ、最後に入賞者たちのパフォーマンスを主軸に、各部門の振り返りをしていきたいと思います。
まずグループAは、”自然体”に思えるほどに、誰よりも正しく基本と型を全うした今泉公佑くんが優勝しました。
2位3位決定戦は白熱しましたが、やはりここも自然体でどこまで基礎的な土台となるものを兼ね備えているかを、最終的な視点として重点を置きました。結果的に準優勝に平山椋久くん、3位に小栗粋ちゃんが選出されました。
またグループBは、沓澤杏樹くんが基本・型ともに群を抜きました。2位の石坂優弦くんも杏樹くんに次ぐ突出生があったと思います。また3位の秋良大地くんも最終的にはナチュラルさ、付け焼き刃感のない、時間と共に練り上げたチカラを評価されました。
グループCは、首位山口覚守慧くんと2位久保直士くんはやはり群を抜きましたが、両者の分かれ目はたった二点の部分でした。ミスをしないことと、長く養われた正しさ。グループD優勝の山田芽依ちゃんも同様です。この3人は非常に練り込まれているなという印象でした。
Dの2位里見佳都ちゃん、Cの榎園琳飛くん、D3位の佐賀天音ちゃんと沓澤恋子ちゃんについては、武道の構えの基礎概念である「半身」や「攻防一致」の姿勢が、他の子よりも取れていました。
技を繰り出すときの腰の回転や、そうしたものを支える立ち方(多くの子が型の中で、前屈立ちを崩していました。特に後ろ足をピンと張れず曲がっていたのは、とても惜しかったです)が、きちんとした積み重ねの中から出てきていることを重視していましたが、今後の伸び代がたくさんあると感じました。
良い意味で、みなさんまだまだこれからです。
もっともっと上達しますので、みなさん頑張ってくださいね!
そして最後に圧巻は香林ちゃんと辰太郎くんです!
この二人は男の子の型の格好よさと、女の子の型の美しさを大いに発揮してくれました。
文句なしの”教科書”です。
でも二人も今まで伸び伸びと”好き”でやってきました。
この結果が思い切りの良い、気持ちの良い魅力ある型へとつながっています。
これからも”みんなの憧れ”として大いに頑張っていってくださいね。
期待しています!
今回もたくさんの方に大会を支えていただきました。
鈴木孝典蔵前支部長、麻以先生、佐藤翔太先生、林辰壱先生、
佐藤理江さん、池田だいきくん、デファイ香林ちゃん、林辰太郎くん、
アナウンサーは道場O Gの長岡怜香さんでした。
また二部の上映を店内でしてくださった「TSUBAKI GARDEN」さん。
心より御礼申し上げます。
さて、これを書き終わったのが、朝6時22分!!
少し仮眠をしてから、KATANA TOURNAMENT 組手の部へ向かいます。
本日もよろしくお願いいたします!
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