――無拳流との出会いを教えてください。
高校生くらいの時に新日本プロレスの初代タイガーマスク(MMAの元の一つになった総合格闘技創始者の佐山聡氏)の大ファンで格闘技に興味がありました。
高校時代はTVドラマ「スクールウォーズ」の影響でラグビーをやり、その後伝統派空手をやり緑帯くらいまでいったものの、社会人になってからは運動から遠のいていました。
38歳ごろ、20年越しですが「やはり黒帯を取りたい」と空手道場を探し、当時の”山口道場”にたどり着きました。
当時の流派はフルコン系でした。
一般的なイメージですが、フルコンタクト空手といえばガチのイメ―ジだったです。
でも、見学に行くと女性も多く和気あいあいとした雰囲気で、これは続けられそうかな、と入門しました。
もう17年前になるのですね。
入門当初はそれほど真面目な門下生ではありませんでしたが、先生が前の流派から独立される時は迷わず、先生についていくことにしました。
山口先生のご指導はすべてが新鮮だったからです。
フルコン空手だけでなくテイクダウンの技術、そして、様々な体術。想像でしかないのですが古流の日本武術から、合気や中国拳法のような様々な技を神秘系でなく「術理」として教えてくださる。
私が求めていた「武」の形がここにあると感じ、先生の道場にいさせていただきたい、という気持ちがありました。
ガツガツしない道場の雰囲気の良さもあり、当時38歳、これから長く続けられるのはこの道場しかない、と感じたのです。
今、55歳になり、身体が利かなくなっている事実は身に染みています。
同世代で武道をあきらめる方が多いのは理解できますが、無拳流はいつまでも術理追究の可能な道場だと思います。
――新ルールについてお感じになることは?
寸止め&顔面ありの伝統派空手をやっていたこともあり、(その点は似ている)新ルールには大きな違和感はありませんでした。
しかし、やはりテイクダウン(体術)へのアプローチは従来とは違うな、と感じました。
これは稽古でも審査でも感じた課題です。
従来のルールでは(接近戦になりやすく)「相手の技をいなした後に技を取る」いうスタイルでした。
しかし、(接近戦が成り立ちづらい)新ルールではこのスタイルが難しくなる中、どのようにテイクダウンを取るか。
課題ではありますが、山口先生の技の組み立てを拝見していて、それを参考に自分でもやってみようと考えていることがあります。
私は「拳児」という漫画の影響で中国拳法も好きなのですが、その中で近接して相手の動きを読む、という技法が出てきます。
テイクダウンの中でもこうしたアプローチができないか、チャレンジしてみたいと思っています。
――審査会を終えていかがですか?
旧ルールの時もそうでしたが、無拳流の審査会は常に、その場の全員で盛り上げて審査を完遂させる、という一体感があります。
今回の審査においても、改めて機会を作っていただいた山口先生、諸先生方、組手に参加いただいた方々、応援いただいた皆さんに感謝申し上げます。
やはり体力的にも厳しく、息が切れたときに中西さんの「大きく吐けば息できるよ!」という応援の声が今も耳に残っています。
相手も自分もけがをしない、を心がけて何とか無事終えられてほっとはしていますが、やはり新しい課題の発見もありました。
武道を嗜まれない方からは「黒帯はすごいね、プロだね」と言われることもありますが、黒帯をいただいても「まだわからない、まだできない」ことがいっぱいです。むしろ、黒帯から深められる領域があるように思います。
今後もっと技を勉強したいと思っています。
一見同じような技でも、内実は違います。
山口先生の「技の突き詰め」を私も追求したいと思います。
その意味では、若い世代との試合「RINGΦFIGHT」もよい体験をさせていただきました。
若い世代のスピードは本当に素晴らしい。
それに対応するために間合いなど、これまで培ってきた技をどのように対応させるか。同世代の諸氏の、こうしたチャレンジにリスペクト感じます。
派手さや運動量の多さではない、空手の術理追究の道をまた皆さんとご一緒にしていきたいと思います。
「師は、その人が必要な段階に応じて現れる」これは私の好きな武道の箴言です。
私が無拳流へ導かれたように、門下の皆さんも、必然としてこの道場に集っているように思います。
それぞれの段階で「わからない、できない」は「将来できるようになる」という可能性を秘めていると思います。
その意味では帯色も世代も関係なく、この無拳流という道場の時空を大事にして、これからも一緒に頑張って参りましょう。
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