昇段審査 合格者インタビュー
2022年は新規会員さんが劇的に増加したと同時に、ベテラン会員さんの「復活劇」が目立った。
その先駆け・火付け役となったのが、今回の二人である。
今年4月に行われた「ベテラン黒帯審査会」の第1弾に名乗りをあげ、多くのベテランに希望を与えた蔵前支部長の鈴木孝典さんと青山会員の永井仁高さんの「決断」について、師の山口雄史代表を交えて話してもらった。
山口 先ずはお二人ともおめでとうございます!素晴らしかったですね。
鈴木 ありがとうございます。とりあえず成し遂げられました。
永井 ほっとしています。できちゃいましたね。
山口 新しいルールに制定してから、従来の黒帯の方にも「昇段試験」としてチャレンジしてもらえる機会を無償で作らせてもらいました。
実際どうだったでしょうか?
鈴木 終わってみての素直な感想なのですが、本当にやってよかったですね。
自分の場合はやると決めた今年初めから、練習するのが楽しくて、楽しくて。
久しぶりに”燃える日々”を味わいました。充実感がありましたね。
永井 私もこの2年ほどマス・スパーリングクラスで、空手の他に寸止めでのボクシングやキックボクシングなどの練習が楽しくて。
その勢いのままいけました。
山口 去年(2021年)の夏に自分が皆さんに先駆けて10人組手にチャレンジした時は、周囲の人が「よし、自分も!」と燃えてくれるかと思ったら、そうは行きませんでした。シーンとした反響でした。あれ?おかしいなと・・
永井 いや、、、先生はやれて当たり前と思っているので、、、
鈴木 先生はどんなルールでも、いろいろな技決めてやっぱ凄いなとは思うんですけど、自分には無理というか。
やっぱりそう思ってましたからね。自分も「よしやろう!」とかは思えないですよ。むしろ、ですよ。
山口 いや、いや、自分も本当に大変だったんですけどねぇ。。共感が呼べなかったです。
そういえば去年は、鈴木先生はモチベーション厳しかったですものね。
鈴木 ええ、50歳を前にして更年期障害ですかね。無自覚なのですが、テンションが落ちていました。
山口先生にご指摘を受けて、そういえば感動がないなと。。
鬱かなと思って病院にも行ったのですが、検査したら「全く正常です」と全否定。
逆に落ち込みました。
どうしたらいいのだろうと。
永井 私も50歳を超えてから、「年齢」については考え込むことは多々ありました。
肩の調子が悪くなったんですよ。
それで休みがちになったんです。
あんなに治らなかったのに山口先生にマッサージしてもらったら、嘘のように治ってしまった。
その後別の病院で「この年齢は、休んだらかえって良くない。運動をしっかりしなさい」と言われましたね。
鈴木 自分は肩と腰ですけど、だんだん自信無くなっていくんですよね。
自分の存在が「無価値」なんじゃないかなとか思ってしまうんですよ。
それで蔵前の支部長やってますが、もう役に立ってない気がして、辞めることも初めて考えました。
永井 ええぇっっ!!そこまで!?
でも、この道場は若い子たちが素晴らしい活躍をしてますものね。
自分は翔太くんや辰壱くんと練習して、「K-1アマチュア全日本チャンピオンたちと一緒に練習している」ということが嬉しかったりしますが。鈴木先生は大変かもしれませんね。
鈴木 まぁ、身体的にもあちこちとガタが来るんですよね。
例えば、私は筋トレが昔から好きなんです。特に腕です。
でも肩関節がダメになって、懸垂とか腕立てとかできなくなったんですよ。
自分が好きなことをやれない落ち込みというのはありましたね。
山口 正直、昨年末はこういう話をけっこう聞かされて(暗いなぁ……)としか思ってなかったんですよ(笑)
それが今年に入ってから、自分もついに来ました。
これかと。メンタルキツいですよね。
更年期障害。
苦しみと同時に、これは個人としてもそうだし、指導者としても「取り組むべき」と思って、猛烈にいろいろなことを研究しまくりました。
鈴木 その研究しようとかいう気力があるのが、山口先生らしいですよね。面倒だし、キツくないですか?
山口 いやぁ、鬼滅の刃の「MUGEN列車」で夢の中に閉じ込められた感じですよね。何度も何度も己を鼓舞して調べ続けました。
永井 私もいろいろと調べましたよ。山口先生や周囲の方々の話を聞いて、ショックを受けたんですよ。 自分って衰えてるんじゃないかと。
鈴木 みんな調べるんですね。
山口 なんでも昭和的な「部下を連れて”飲みニケーション”」みたいな文化って、中年男性の低下したホルモンをあげてたらしいという情報も目にしました。近年 “コロナ自粛”も長く続いて、余計ね、中年には厳しい状況になっているというわけです。
永井 でも、この審査形態は我々の世代にもチャレンジができ、モチベーションをあげてくれることになりました。今回のチャレンジは本当に達成感があって、清々しい気持ちになりました。
鈴木 そうですね。安全性の高い新ルール。かといって「簡単」「お手柔らか」になった訳ではない。きちんと準備しないと達成できない訳ですから。
永井 いや〜、シンドかったですね。それはやはり「昇段審査」だったなという「やりごたえ」みたいなものはありますよね。
鈴木 自分はつくづく今回のことで思いました。チャレンジって大切だなと。
普段私はこどもや大人の会員さんたちも言っている訳じゃないですか、チャレンジしましょうと。
でも肝心の自分が無感動になっていて、はじめは昇段審査を別にやりたいとも思わなかったですからね。
でも決めたら、とりあえず練習はするじゃないですか。そうしたら楽しくなってくるんですよね。自分が変わってくるのも実感できて。
永井 自分の場合は、セミナーなどでプロボクサーの桑原拓さんのボクシング技術などに触れることができて、「プロのようにはできないけど、やってみたい」という感動をもらって、すごくモチベーションが上がりました。
この道場はモチベーションアップの機会をたくさん与えてくれます。
鈴木 やっぱり、希望を持つことですよね。
自分も昔はチカラ、パワーを使うのが好きでした。それに充実を感じていたことも事実です。
しかし、前述したように肩がダメになって、逆にチカラを抜くことを覚えました。
そうしたらテクニックが以前よりもっと面白くなったんです。
技を使えるようになった実感があります。
永井さんもすごく上達していますよね。最近スパーしてて、思うようにやらせてもらえなくてムカついてます。
永井 いやいや、光栄です。
でも、楽しくて楽しくて、自分は動きを「途切れさせる」クセがあったのですが、それを取り組み続けてきて、最近は流れができたきたように思いますし、上達の実感も感じています。
山口 二人が先駆けてやってくれたおかげで、その後多くのベテランの黒帯たちが審査にチャレンジをしてくれました。
「二人に触発された」という人は本当に多いです。
鈴木 やっぱり山口先生じゃ、動かないということですよね(笑)
自分達だから親近感がある。
その点は貢献できました。
永井 私のような50過ぎの一般会員が頑張る姿を見せられたからこそ、皆さんが現実的に考えられるようになったのかもしれません。
それは嬉しいことです。
※以下、最近の追記
山口 事情があって、すぐにはこのインタビューを掲載できませんでした。
改めて2022年のこの年末、4月のチャレンジに何を思いますか?
鈴木 やっぱり自分の子供に対しても、説得力のある父親でいられているかなと。審査を終えてからこの道場が開催しているノンコンタクトのキックボクシング大会「RING Φ FIGHT」にも2回出ました。楽しかったですね。
あの審査会を経てこそ、今の充実があると思います。本当にやってよかったです。
永井 最近息子が生まれました。
その時に「感謝」という感情が改めて大きく湧き起こりました。
こんなに謙虚な気持ちになるのかと自分でも驚いています。
人生で初めて父親になった今、子供が生まれる前にこうしたチャレンジができたこと、先ずはずっと私を支え続けてきてくれた妻に。そして道場の皆さんに大きな感謝をしています。
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