ADULTS CLASS BLOG ニュース 2023.02.24

RINGΦFIGHT03 後記 「空手道場がリングイベントを開催する理由」


2/23(木祝)無拳流空手道青山本部道場で、寸止めのキックボクシングルールの大会イベントを行いました。

無拳流空手道のネットワークから、総勢約50人が集い、大いに盛り上がった大会となりました。

大きな特徴が、10代から60代までの幅広い年代、ビギナーからベテランまで多くの参加があったことです。

「当てない」寸止めのキックボクシングルールのイベント「RINGΦFIGHT」が、なぜ多くの老若男女の参加者を集めているのか。

昨年7月のスタート以来、3回目となるこのイベントを振り返りながら、それを説明していきたいと思います。

(各写真の下に各部門のレポートを記載させていただきます)


【女子初級トライアル部門】

今回はトーナメント大会という形式でしたが、「まずは経験をしたい」というビギナーの方の1マッチを行いました。

1分1ラウンドのみの戦いですが、1分間を真剣に試合するというのは非常に疲れます。

両者初めての戦いにもかかわらず、最後まで動き続けたのは素晴らしかったです。

試合後「もっとやりたくなりました」という二人の声を聞くことができました。

この気持ちをもってもらえたことがとても嬉しいです。

安全、安心の環境ということがわかった中での、技術の応酬が楽しめる。

これがリングファイトの魅力です。

次は50代のビギナーの方の試合を紹介します。


【50代初級1マッチ】

50代のビギナーのお二人による試合です。トーナメントで募集しましたが、今回は二人の1マッチ。
まずは1分を2ラウンド、よく戦い抜きました。

正しいフォームで、移動をしながらのパンチやキック。
しかも上下に散らして、タイミングを合わせたり、ずらしたりしながらの技術を追求することができるこのルールだからこそ、年齢を重ねても大いにチャレンジすることができます。

勝敗こそつきましたが、この場に出るお互いの勇気。
それを讃えあえた事が、このお二人にとって一番の収穫ではないでしょうか。

“まだまだ共に頑張っていきましょう”

そう語るかのような爽やかな二人のグローブタッチが印象的でした。


【ジュニア・ユース】

身体能力が急速に伸びるこの世代、スピーディーかつスリリング、そして独創的な技術もたくさん飛び出しました!

昨年、圧倒的な実力差を見せつけられて悔しい思いをした子が、その苦杯を喫した相手と決勝で再戦したシーンは胸アツでした。
お互いに一進一退の攻防。

こちらも「またチャレンジしたい」昨年そう思えたことが、このシーンを演出したように思います。

同時にこの年代、親御さんが「参加しても大丈夫」と思ってもらえることも大切です。

脳などにダメージを負う危険性のある直接打撃は、当道場では一般向けには奨励していません。

ごく限られた選手が、K-1やRISEといった有名リーグのアマチュアで全日本チャンピオンとなっていますが、これは徹底的なディフェンス能力を養成することに多くの時間を割いていてこそのチャレンジです。

当道場は基本的には全世代の全会員さんに対して「寸止め」を奨励しています。

是非また多くの子たちにチャレンジしてもらいたいと思っています。


【社会人・初中級】

こちらも決勝は”再戦”となりましたが、全試合が好勝負でした!

「やってみてはじめて味わえる楽しさ」

RINGΦFIGHTにはそれがあります。

マーシャルアーツは一般的には「敷居が高く感じる」と思いますが、「いつからでも始められて、楽しむ事ができる」ことを多くの人に理解してほしいと思っています。

武道や格闘技のテクニックには、感動の「知恵」がたくさんあります。

この部門の4人は、「どんな技を使うか」ということを楽しんで用意してきてくれたように思います。

また次の機会にそれぞれもっとレベルアップして、再戦すること必至かと思いました。

期待しています!


【初中級・ミドル級】

RINGΦFIGHTは寸止め制ですので、ウェイトよりも身長や手足の長さが、マッチメイクの上で重要なエレメントとなります。
この階級は初中級で身長が大きめの方たちの部門です。

二人の学生さんに挟まれた中年社会人のメンバーさんが、気を吐きました。

学生さんたちは「社会人」の風格に気が引けてしまったそうです。

しかし逆に社会人の方も、若い子たちの伸びやかな身体能力を恐れています。

いろいろな世代が共に交わって、認めあうことのできる環境作りを大切にしています。

社会人も若者もマナーや礼儀正しさ、親切な思いやり。

こうしたものを交換する事ができてこその、試合です。

世代間交流という点で、各試合とても素晴らしいシーンでした。


【女子初中級】

非常にアツかった。ひとえにアツかった。とにかくアツかった。
そんな印象が今も残っています。

普段は全員がおっとりです。

しかしながら、試合になると集中力のリミッターは大きく振り切って、更なる新境地を本人たちも知ることになる。

そのような全試合でした。

ここにも世代を超えた、戦士・武道家としての誇りある心の交換ができていたことが、素晴らしかったです。

是非またみなさんにはチャレンジをしてほしいです。

女性についても、今後は年代層の更なる拡充を見つつ、必要に応じて年代分けをしていきたいと思っています。


【中上級者】

激闘でした。技と技の直接のぶつかり合い、肉体の直接のぶつかり合いはありませんが、「意地と意地」が交錯するアツい試合が続きました。

妙な例えになるかもしれませんが、中上級には「上手い人・強い人」はいません。

初級にはいます。
空手でいう黒帯レベルの上級は全てが上手いです。そして強いです。

しかしながら中上級は、挫折中の人ばかりです。

“できて当たり前”のことと、”まだまだ至らないこと”の現実にぶち当たる階級です。

だからこそ、そこで踏みとどまっていくことの執念が必要になるのです。

みんな立ち続けることができた。

しぶとく最後まで捨てずに戦い続けた。

もの凄い余韻を置いていった階級でした。


【男子上級】

心技体の最高級。
それを見せてくれたのがこのディビジョンでした。

みんなが “使える武器”を持っているのが、この部門のキャラクターたちです。

次から次へと紡ぎ出されるテクニックのコンボ、応酬。

破、裂、開、空、静、疾、直、曲、転、翔・・

その全てが異様なスピードで処理されていくことの

美しさと激しさ、そして人間臭さ。

このジャミングには紛れもなく”祈り”があるように思えました。

「自他共栄」

武道の有名な題目ではあるが、彼らの戦闘にはそれがあった。

素晴らしい戦いにただただ感謝するばかりです。


【女子上級】

ここは空手を長くやっているベテラン女子の階級。
最年少の子でもキッズ時代から6〜7年ずっと続けてきての今です。

子供第一の生活、趣味の時間をなかなかもてない母であったり、何度もマーシャルアーツで浮き沈みを経験したり、社会の中で多忙と悩みを繰り返す、そんなシーズンを味わったメンバーたちだからこその、「年季の入った試合」が多かったように思います。

面白いもので、ずっと使ってきた同じテクニックでも「感度」というのは月日とともに変容していきます。

スピードを出して無理に突破できないのであれば、曲げてみよう、遠回りしてみよう、あるいは超絶スローにして“すり抜ける”ということも、胆力さえあればできます。

しかしながらその胆力はやはり年季があってこそ、養われるもの。

今後ますます楽しみなこの階級。

女性も「燻銀」な世界を醸し出すことができます。

普通でこそ強い。

格言的な試合が続きました。


【マスターI】

50代前半を中心とした部門ですが
この年齢でこれだけ動けることがもはや奇跡です。

(とにかく楽しそう・・)

これがこの部門で一番伝わってきたことです。

失敗しないように神経を行き渡らせるのではなく、できることを全てやり切れるよう専心する。

そんな好試合が続いていました。

「善戦しても、やっぱり負けは悔しいですね」

相手を称えつつも、そう素直に言える皆さんがカッコよかったです。

50代ってもしかしたら “まだまだ若い”のかもしれません。

技も毎回バージョアップして研ぎ澄まされてくるし、「青春」さえ戻ってきている気配です。


「マスターII」

50代半ば〜60にかけての部門です。

感動しました。

とにかく「武術を積む」というのは、こんなにもすごいのかと。

構えで相手を制する。

互いに身動きを取れない「間」を静寂の中で競い合う。

そんな達人的なシーンが何度も生まれていました。

“電光石火”

その中で一瞬を取り合う。

「いまここにある」

内面の世界に重心をとる「求心力」が
かえって外側の「遠心力」をも大きく発している

そんな武道の憧れの世界を垣間見せてくれたマスターの皆さんに、心から敬意を表したいと思います。

最後に特別賞について。

 【優秀選手賞】

惜しくも敗退しつつ、自分の”武器”を強烈にアピールした人たちに送りました。

トップギア光速のジャブ、問答無用の燕返し蹴り3連発、禁断のサソリ蹴り、角度をつけた流れ打ち、”胆力視”のコンビネーション。

必ずしも勝敗にのみ「栄光」が宿っているとは限りません。

一瞬の技術にこそ、パフォーマンスにこそ、その人の生き様が映し出されて光り輝いていることもあると思います。

そんな試合ができる皆さんがとても眩しかったです。

【下記】瞑想サロンMELON賞、日本セラミックス賞(2枚目写真)、記事の一番上の写真はスマートリンク社賞。

最後に表題の件ですが、
空手の道場がなぜRINGイベントをやるか。

楽しいからです。

いろいろなことから学びを得ることが、素晴らしいことだと思うからです。

空手衣の袖に手を通して、帯をギュッとしめて、そして黙想や正座を行なう武道。

その世界の奥ゆかしさを味わいつつ、究めたいと思いつつ、

技術を伸ばしてくれる、心をのびやかにしてくれる、ドラマ感のある「リング」は、空手の向上にも大いに役立っています。

寸止めでもグローブでの技術の応酬はとても楽しいです。

MUGENはこれからもより一層「コンバットスポーツ」畑を耕し、幅広い年代の方に愛好してもらえる「アマチュアに安心でモチベーションを提供できるような世界」を作っていきたいと思っています。

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