ADULTS CLASS BLOG ニュース 2023.04.11

50代座談会「僕らのMUGEN MARTIAL ARTS」ミドル・エイジ・クライシスを乗り越えて

~MUGEN-STYLES=LIFE-STYLES①50代会員座談会~

「リング体験」と「空手」そして「私生活」

無拳流空手道青山道場には、50代半ば〜後半の会員さんも非常に多く今年60歳を迎える方も複数おられます。

今回は経験者の皆さんに、空手一筋の道場ライフでの自信喪失、コロナ渦中のスランプ、そして寸止めのリングファイトへの参加などを経て、自信を取り戻したその経緯、今後の道場ライフを語ってもらいました。

空手の道場のベテランならではの苦しみ、予想もしていなかったリングでの試合。

率直な感想が飛び交っていて、「人生100年時代をいかに健康に強く逞しく生きていくか」そうした命題にも参考にできる、非常に面白い記事となっています。

 

■2023年2月23日(木祝)開催のリングファイト3を終えて

 

小林(今年60歳) トーナメント制になったことで、自分の中では盛り上がりましたね。やっぱり勝ちたいなあ、優勝したいなあ、という楽しさが出ました。

永井(50代半ば) わかります。やっぱり勝ちたい欲がでて、私の場合は空回りしてしまった部分もあるかと思いますが。中西さんの術中にすっかりはまってしまった気がしてます。

中西(50代後半) 私は試合の時は勝ち上がろうとか考えず、1回戦目だけ集中するんです。そこで対戦相手の永井さんが、出入り系で来るか、静か系でくるか、対策を考えシュミレーションしていました。どちらかといえば静か系がイヤだな、と思っていたんですが、出入り系で来てくれて。

永井(50代半ば) 静か系でいけばよかったのか。

中西(50代後半) 静か系だと、あした場での試合で見合っての探り合いを1R続けるのはちょっと、という雰囲気もあるじゃないですか。それに若い世代に見せなきゃ、ということもあるし。

麻生(50代半ば) ああした場での試合は疲れますね。私は、なぜか入場パフォーマンスとかセコンドとかに気がいってしまうんです。試合自体もハードスパーより、今の寸止めの方が、次の日に体がバキバキになることが多いんですよね。やっぱり大変です。

平嶋(50代半ば) 私はリングファイトは1つ間をおいて2回目の試合でしたがセコンドはありがたかったです。1回戦の堤亮介さんとの時、麻生さんから「固いよ」と言われ、2回戦の鈴木先生の試合では、おかげでほぐれたのか、終わってみたら優勝できて楽しかったという感想です。ただやはり1分2ラウンドでもハードですね。3分とかになるともたない。戦い方も変えなきゃいけないかな、と思ってます。

麻生(50代後半) 1ラウンドで終わりがいいなあ。今の若い世代のスピードはすごいですね。さすがにいなしきれなくなってきた。私は試合では戦略プランなくやるんです。1個だけ出したい技決めてやってみるとか。一回、コーナー使った三角蹴りとかやりたいなあ。怒られるかもしれませんが。

山口憲介(50代半ば) セコンドということでは、中世古さん、本当に役立たないことを言ってくれまして。右出せと言われたら当たってしまって反則負けになってしまいました。

中西 中世古さんは本当に役に立つこと言わないけれど、逆にそれがいいですね。

山口(50代半ば) リラックスできますからね。しかし、試合としては顔面殴打で反則負け。なぜ当たったのか、いまだにわからない。試合だけでなく、顔面ありの距離感含めまだまだ研究しないといけません。

小林(今年60歳) (山口)ケンスケさんご自身からは来ないかと思い、私が突っ込みすぎたんでかね?

山口憲介(50代半ば) それはケンスケさんの、いつもの手なんですよ(笑)。勝負にこだわらない風と見せて……、

小林(今年60歳) たしかにケンスケさんずるいですよね、あまり出しそうにない雰囲気で高いケリ出してきますから。

山口憲介(50代半ば) 死んだふりとか得意なんで(笑)

中西 戦いのチャンネル合わせってあるじゃないですか。テンションのチャンネル合わせというか。ケンスケさんは低いところ低いところへチューニング合わせて、高い技を出す。気を付けないといけないですよね。

小林(今年60歳) 先日の試合でわかりました!

山口憲介(50代半ば) 中西さんのチャンネルに合わせるとまずいじゃないですか。だから違う風に違う風に、と心がけてますね。

中西(50代後半) ほんとよくないですよね(笑)。世代もあるかもしれませんが、どこかで拳で分かり合う、みたいなのあるじゃないですか?。でもそれがないんですよ、ケンスケさんという人は(笑)

山口憲介(50代半ば) エヘヘ。

中西(50代後半) 拳で語り合おう、というとパーを出してくるんすよ。うまよいよねえ。

山口憲介(50代半ば) パーかと思うとチョキ出すとか。なるべく変えようとしちゃう。

小林(今年60歳) 私はリングを見てしまうと、どうしてもKOというかそういうメンタルになるんです。構えを作られるとどうしても不利と思い、ガチャガチャにしようと。頭の中で昔のK-1の音楽ならしてやりました。

中西(50代後半) なるほど、それでああ来られたのか。やっぱり私のほうが(山口)ケンスケさんょり人がいいのかもしれないなあ(笑) 巻き込まれない作戦は戦術としてアリですよね。

小林(今年60歳) 本当に楽しかったです。出てよかった。出るとこんな風にお話に加われますしね。

(文章写真下に続きます)


■これからの空手                                     

平嶋(50代半ば) 今、闘い方については結構悩んでますね。私、どっちかというとアクティブ系じゃないですか。でもスピードある若い世代もどんどん出てくるし、やはり構えどっしりでいく系がいいのかなあと。

 

永井(50代半ば) 練習の中で、若い佐藤翔太、林辰一先生たちにキックやボクシングの細かいテクニックを教えてもらって、実際身体が動いたりするとうれしくて。だからできるところまでアクティブ系で行ってみたい気もします。

 

麻生(50代半ば) アクティブ系でも、届かない距離感の使い方、そこから虚を突いて入るなど使うのもあるんじゃないですか。

 

平嶋(50代半ば) そうですよね。やっぱり私は動けなくなるまでアクティブ系で行きます。違うスタイルも将来のため研究しながらですが。

 

永井(50代半ば) 将来。まだ先を考えてらっしゃるんですね。

 

平嶋(50代半ば) 私は空手はやめませんよ。空手に限らず、人生、一山つくると必ず下がるときあるじゃないですか。若い時は再起も早いんだけど、年てを取ると再度昇るのがしんどくなる。

でも、わたしは、とことんもがいて、山つくろうかなと。そんな感じで空手もアクティブ系でもがきます。

 

山口憲介(50代半ば)私もまだ顔面(寸止め)ありルールにはなれというか、課題あると感じています。それに今は、両手での道衣の掴み・投げがOKとなったので、それへの対応も考えたい。

 

中西(50代後半) もともとブラインドスポット(視覚)に入ることを想定しての、片手だけで道衣を掴めるルールだったかと思いますが、両手で両面を掴めるとなると、また新しい領域がでてきたわけですね。

 

■身体ケアとモチベーション

小林(今年60歳) 私は、まさか60歳近くになってまだ試合できるとは思ってなかったです。だからうれしいし楽しい。4年前に入門したときは健康管理目的でしたからね。それが黒帯まで取らせていただいて。

 

中西(50代後半) 私も試合とはもうやらないと思ってました 体は痛めたところないですか?

 

小林(今年60歳) ないですね。

 

中西(50代後半) いいなあ。怪我がないのが一番ですよ。

 

平嶋(50代半ば) 私も椎間板ヘルニアで腰がきついですね。

 

中西(50代後半) 麻生さんの故障はよく聞くけど哲也さんもですか。私も数年前腰をやってしまい、空手始める前に両膝に故障があり、右肩も痛めてます。

 

山口憲介(50代半ば) まだ左肩があるじゃないですか。

 

中西(50代後半) だから何なんですか?(笑) ただ、現在のルールになってから怪我の心配や体の負担が減ったのは確かですね。

 

小林(今年60歳) 私が緑帯くらいの審査のころ過渡期で、変わりましたね。

 

中西(50代後半) 昔のルールで生き生きしていたのは鈴木先生ですよね。

 

山口憲介(50代半ば) 鈴木先生は本当に変わりましたね。入ったころは飢えた獣のよう(笑)。それが蔵前道場を任されたくらいからですかね。心が落ち着いたというか。

 

中西(50代後半) 別人ですね。本当に偉いですよ。そういえば、第1回のリングファイトで大橋ジムから来られていた北原さんっておいくつなんですか?

 

小林(今年60歳) 71歳と聞いています。

 

山口憲介(50代半ば) 中西さんは、まだ15年くらいありますよ。

 

中西(50代後半) だから何なの?(笑)。いや、あそこまで動けるのはすごいなあ。

 

山口憲介(50代半ば) 小林さんはそのころも動いてそうですね。今と変わらず。

小林(今年60歳) いやあ、やっぱり高い蹴りとかきついですよね。

 

麻生(50代半ば) これから先を考えると僕は中国拳法っぽくいくのもありかもです。

 

平嶋(50代半ば) 僕はあくまでアクティブで行きますよ。

 

 

■クライシスを超えて、新道場でも道は続く

麻生(50代半ば) 私はこの2年のコロナ期でよく退会を考えたなあ。年齢もあってか仕事も私生活も何もかもモチベーショが下がってしまって。でも、道場に来ると考える間もなく矢継ぎ早にイベントがあって。若手の圧力もあるし。同町圧力的にリングにまで登るように(笑)。

 

山口憲介(50代半ば) 私も家族の世話などで一時負担が大きくなった時があって、正直やめたいと思うことはありましたね。でも哲也さんに「行きましょう、やりましょう」と言われてなんとか踏みとどまれました。

 

平嶋(50代半ば) LINEでお話して、一度飲みに行ったんですよね。

 

山口憲介(50代半ば) おかげさまで復活して、今は中西さんがやめなければやめない、という気持ちです。

 

中西(50代後半) なんですか、それは。じゃ私も平嶋さんがやめないならやめない(笑)

 

平嶋(50代半ば) 3すくみじゃないですか(笑)

 

中西(50代後半) 真面目に話せば、私は空手、道場をやめる理由がありませんね。ただ昔、腰が治らなかったらやめていたかもしれません。しかし当時、山口先生に教えていただいた方法がすごく効果があって継続できました。

 

小林(今年60歳) 今もし、道場なかったらどうなっていたか考えるとぞっとします。隠居生活していたかも。コロナの時はドキドキしましたね。もしかして道場がなくなってしまうかなあと。

コロナ期にオンライン教室もあったんですが、やはり道場という空間で、皆さんと心と心のつながりのある場での稽古が楽しいんですよね。それがあるから続けられる。今度の空手試合もどうしようか迷っていたら山口先生に「楽しければいいので出ましょう」と言われたので出ます。

 

中西(50代後半) 楽しくないと続かないですよね。私もどちらかというと空手試合がいいかな。

 

山口憲介(50代半ば) 私もキックの試合ではつかめないし、グローブが少し大きくて感触がつかめないですね。

 

小林(今年60歳) 私はグローブとかあまり気にならないです。前々回の花道も大好きです。リングに上ると「空手バカ一代」が降りてきて、チェストとか出ちゃう。

 

中西(50代後半) リングファイトの決勝の時の気合ですね。あれがまたチューニングが合わないんだよなあ(笑)。実は「空手バカ一代」読んでないんで。私はブルース・リー世代ですから。

 

麻生(50代半ば) 夕方、よく「タイガーマスク」とか再放送でやってみてましたよ。「キックの鬼」とか。

 

平嶋(50代半ば) 僕は「夕焼けにゃんにゃん」ですね

 

中西(50代後半) 「キックの鬼」って?

 

永井(50代半ば) 真空飛び膝蹴りの沢村忠ですよ。昔は夜7;30からテレビでキックとか放送してませんでした?

 

中西(50代後半) 知らないなあ…

 

小林(今年60歳) 同じ50代でもけっこう文化が違うんですねえ。道場もかなり変遷あったんですよね?

 

中西(50代後半) 20年ですからね。田原町、蔵前、水道橋、秋葉原、麹町も一時ありましたね。広尾、麻布十番、渋谷を統合して今の青山になったんですよね。長い道場生活になりましたし、様々な去来がありましたが、新道場になっても空手は私の生活の一部になっているのでまだまだ続く道だと思っています。

 

小林(今年60歳) 僕にとって道場は、“居場所”なですよね。道場性の皆さんとの心とこことのつながりこの温度感、空気感が本当に心地いい。そして技術追究も次から次へ世界が広がるので面白くて仕方がない。新しい道場でもよろしくお願いします。押忍!

 

(インタビュー:永井仁高)

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