KIDS CLASS BLOG ニュース 2023.05.30

DRAGON TOURNAMENT2023 外記「ただ栄光のためでなく」

代表の山口です。
一昨日の大会の熱気も冷めやらない今日ですが、朝にはブログを挙げました。

やはりみんな素晴らしいんだと。
どうしても伝えたかったので、親御さんたちが起きたらすぐに読んでもらえるようにアップしました。

しかし、それでも伝えきれないことがあるので、いくつかのシーンをピックアップしたいと思います。

幼児クラスについては、前回のブログで書いたことが全てですので、1年生から書かせていただきます。

①1年生の成長『真剣さ」
先ず、1年生の成長です。
今回幼児クラスの子たちもよく頑張っていましたが、小学1年生ともなると「試合の意味」はグッと深まります。

“ただメダルが欲しい”という気持ち以上に、戦うことに対する不安も高まるのがこの年代です。

指導員たちの中で「それを代表するような試合」として印象が強いと話題になっていたのが、咲來ちゃんと友聖くんの試合でした。

友聖くんの低い構えに入る真剣さ、咲來ちゃんの目一杯技を届かせようとする想いのこもった一髪一髪の蹴り。

この駆け引きがすごい緊張感を引き出していました。

また、トキくんは今までの幼年時代は試合場に来ると泣いてしまったりしていましたが、今大会では駆け引きに集中して、咲來ちゃんもそうですが小さいながらその分思い切りよく飛び込んで技を出すタイミングを測っていました。その成長にびっくりしました。

また、マーティンくんは普段は授業中でも好奇心旺盛にいろいろなところに注意が分散する子でしたが、「試合に出たい」という気持ちがあって、いざ出てみると、本当によく集中して頑張っていました。びっくりしましたが、全力を尽くした後の表情を見て、感動をしました。

本当は全員のお名前を出して語らせてもらいたいです。それほどに一人一人が素晴らしかったのですが、1年生については、上記3人を今回はピックアップさせていただきました。

②低中学年「挫折するのも才能」
こちらも数々の素晴らしいシーンの連続でした。

先ず筆頭に颯真くんを挙げたいです。
今大会でのライバル、結人くんに惜しくも個人戦、団体戦で敗れました。しかしながら三度戦って素晴らしい善戦を繰り広げました。
堂々と胸を張って欲しいと思います。

前回の審査会で、大きなお子さん相手にも頑張れた。その姿に親御さんが感動をして、今大会の出場にも繋がったのだと思いますが、必ずしも「勝利」が報いになるとは限りません。その二人のアツい戦いこそ、果報です。

うちの若いインストラクターたちは全員が全日本大会チャンピオンです。
しかし勝ちばかりを積み上げてきたばかりでなく、むしろ敗北を重ねてきました。それでも素晴らしい戦いだったことは間違いなく、それをずっと評価してきました。

あんな素晴らしい試合、ドラマを繰り広げられること、かっこいいの一言に尽きます。

垣内騰五くんも、悔しくて”男泣き”していたとスタッフに聞きました。
それを大会後に聞いてグッときてしまいました。試合前にとても張り切っていましたから。

すごくセンスのいいお子さんで、周囲と楽しくいつも空手に励んできました。
力を出しきれなかった日。

そんな日のことは、自分も若い指導者たちもみんな経験してきたからこそ、分かるんです。
その日が「ターニングポイント」だと。

大泣きできるなんて素晴らしいじゃないか。
そう思います。それでもまだチャレンジはしていきたいと話していたそうですが、是非応援させてください。

2〜3年生については、お世辞抜きに才能のある子がたくさんいます。

琢磨くんも、大悟くんも、聖くんも、普段のんびりしつつも、”技筋”がとても良いです。

MUGENは「スポーツとしての空手」をどこまでのめり込みさせたいかということについては、慎重になっています。

無理に指導者が追い込むことは控えていますし、”伸び伸びとした環境(ベース)”というのは大切に保全しておきたいのです。

道場全体が”試合のために”という空気にしたくはありません。

しかしながら、「試合をもう少し頑張ってみたい」そう強く思えたならば、強化クラスなどに所属してみるのも手ではないかなとも思います。

その中で目一杯やってみて出会える世界も、自発的な気持ちがあるのであれば、本当に良いものだと思います。

ご興味あれば是非ご相談ください。

中高学年の「逆境」
この部門の緊張感の高さ・激しさは、語弊を恐れずにいえば、「今大会一」だったように思います。

大会でも説明しましたが、杏樹くんと優弦くんのライバル関係には素晴らしいものがあります。

二人とも強化クラスに入り、MUGENのコンペチームに入って、数々の敗北を連続して味わい、その中で強さを固めてきました。そして気持ちの良い「男同士の友情」も育んできました。強すぎる二人を一回戦で当てた理由はそこです。
今大会でも結果からは浮き得てこない、名勝負を繰り広げてくれました。こうした勝負があることこそ、武道の大会だと思っています。

またこの部門では、蓋を開ければ”圧倒的”な強さを示したションフェルドこころちゃんは、半年前までは優しい蹴りを出しながら、後退に後退を重ねる気弱な組手をする子でした。それを何年もしてきた子です。

あの大会でのパフォーマンスからは、とても想像できないのではないかと思います。
しかしながら、本当にそうだったのです。

道場の外での悩みが深刻だった時期も短くなかったようです。
それでも空手だけは、道場だけは好きだった。ここなら好きで頑張れる。

こういう想いを一心に集めて道場に通い出したのが、ここ数ヶ月のことではないかと思います。
今回の輝きのもう一面には、辛い時間と日々もご家族と共に味わってきたことがある。

そんなことを添えさせてください。

そんなこころちゃんと個人戦決勝で戦ったアルトゥールくんもよく頑張りました。

決勝では試合をレフェリーストップしましたが、本人が泣き震えながらも「ぜったいにやりたいです」と答えてくれただけで十分です。
アルトゥールくんもよく頑張ってきたんです。半年前に話し合ったんです。
挑戦や努力なしに上級生になることはできないよと。

それから彼は稽古を本当に真剣にやるようになりました。途切れることもなく、毎回、毎回。ずっと重ねてきました。
そして今回の決勝進出です。よくやりました。

また、団体戦決勝でこころちゃんと戦ったスイちゃんも素晴らしかったです。
決勝戦、ヘルメットの奥で何度も折れかけていましたが、その度に気丈に立て直して、ドローへと持ち込みました。
今までの大会では、どちらかというと圧倒的な勝ち方をしてきましたが、今回は圧倒的な劣勢に立ちました。
そんな中で見せた、スイちゃんの”守りきる強さ”、とても感動しました。肝がある子ですね。

○5・6年生 黒帯「姿勢」の重要性

5年生以上の黒帯からは、新しいルールでの挑戦が始まります。
その中で今回は10センチ以上の身長差がある面々を、身長差で組み合わせを振り分けていきました。

正直、前回のブログでも伝えたように「技術はこれから」です。(楽しみという意味も含めて)

ただ、ここで印象に残ったことは、「姿勢」です。

ドラゴントーナメント、もう一つの会場である「蔵前道場」での同じ部門の試合も映像を何軒かのご家庭から頂きましたが、やはり「新ルール」に切り替えたばかりの子たちには共通することでした。

「姿勢」というのは、技術的にもそうですし、精神的なものでもそうですね。

武術なれど、ルールあり。
ルールはあれど、武術。

私はそれを念頭において、いつも審判をしています。

時に和解審判たちやベテランの黒帯たちと判断が分かれることがありますが、理由を話せば、”ああ、なるほど”と言ってもらえる基準を持っていると自負しています。

この部門においては「姿勢」が改めて問われたと思ってもらえれば、一定の合点がいくのではないでしょうか。

武術としての打撃の攻防。

それが出せていたかどうか。当てない中での”先”はやはり強いです。(ステップバックしての”後の先”も同様)

また、突きは突きのフォーム。蹴りは蹴りのフォームになっているべきです。

蔵前では”猫パンチ”にならないようにという指導が、鈴木支部長がしていたようですが、その通りです。

腰を入れて、あるいは身体の移動に乗せて打つ、蹴る。

これが武術の基本です。

また、ここに新たに戻っていくのは、つまり武道の奥にさらにいくということです。
小学生といえど、黒帯に卒業はありませんし、未熟をまた新たに知るということは、真の成長を得るためには何度も迎え入れなくてはいけないとても大切な過程です。

個人的には、ユー凛恩くんや平田英人くんの、迎え打ち型の男っぷりが良かったです。

あくまでも気持ちの上での話ですが、 まっすぐに先ずはドンと受ける。そしてドンとまっすぐに返す。

この器量で、熱く名勝負を繰り広げていく。

次のトーナメント、グラドラやドラウィで、みんなの進化がみられることを楽しみにしています!

○戦い続ける中学生

今回は一人欠場だったため、3人参加でのトーナメントでした。
しかしながら、香林ちゃんと辰太郎くんの心技体の整った試合はすごかったですね。
栗林くんも香林ちゃん相手に、よく頑張っていたと思います。(次は青木くんとみたいです)

コロナ渦が終息して、以前の生活が取り戻されていく中、中学生高校生も学校の部活などが活況になってきたようです。

そんな中、空手の試合に出る子がまた少なくなってきたかもしれません。

それでもずっと好きで頑張り続けている子たちもいます。

その姿に寄り添いたいなと、改めてそう思えた彼らの試合でした。

中高生、改めてどうやったら盛り上がっていくか、新しい時代に合わせて考える時期がきたように思っています。


○共に戦うこと

最後に、いつも舞台裏ですべての子供たちと共に戦ってくれている麻以先生、翔太先生、辰壱先生、手伝いをしてくれている香林ちゃん、辰太郎くん、覚守慧くん、心より御礼を伝えたいです。大会ではツヨシくん、琳飛くん、凛恩くん、杏樹くん、ココちゃんたちもたくさん手伝ってくれました。

共に戦うことはとても難しいです。
それをずっと長く共にできることを貴重に思います。

またご父兄の皆様におかれましては、いつもたくさんのご理解とご支援をいただき、やはり「共に戦って下さっている」そういう心強い励みをいただき感謝しております。

これからもよろしくお願い申し上げます。

無拳流空手道 原宿本部道場
代表 山口雄史

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